四日間の奇蹟
本屋でサーバ運営のムックを買うついでに、「四日間の奇蹟(朝倉卓弥)」を買って読む。
「四日間の奇蹟」は宝島社の「このミステリーがすごい!大賞」の受賞作で、前々から気になっていたが、文庫になっていたのでゲットしたのだ。
「このミステリーがすごい!大賞」といえば、直毅さんが応募する! とおっしゃっていたが、どうなんだろうか? 99%応募してないと思うが……。
さて、「四日間の奇蹟」。
生涯を追い、ピアノをひかなくなったピアニストと、知能障害を持つ少女、そして2人が訪れる介護施設で働く女性の話である。
著者は新人ではあるが、描写力が素晴らしく、それぞれの情景が目に浮かびやすく、文章も読みやすい。
物語はピアニストの一人称視点で、中盤からストーリーが動き出し、感動的な圧倒的なラストへと向かう。
ここ最近読んだ本の中でも傑作だ。
あえて難を上げるとすれば、明らかにミステリーではないところと、帯に「泣ける」と書いてありネットの書評で「泣けると書いてあったのに泣けなかった」というゴミのような文を書く人がたくさん出るところか?
それと、タイトルが名作「23分間の奇跡」に似ていること、あとネタが今まで散々使われてきたものであることも。
まあ、これらを含めて名作には間違いないと思うので、文庫だし未読の方は読んで欲しいと思うのであった。